日本人の死亡原因一位である「がん」。
小さい子どもを連れて海外に赴任する家族にとって、大黒柱を失うかもしれない病気は、おおきなリスクのひとつですね。
そんな「がんリスク」は、予防と早期発見によって大幅に軽減することができます。
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年間37万人以上の日本人が、がんで死亡している
日本では、昭和56年以降、がんが死亡原因の一位となっています。
「がんは日本の国民病」とも言われ、予防や早期発見、さらに教育や啓発活動の重要性が注目されています。
働き盛りのがん罹患率
国立がん研究センターの統計によると、4、50代から男女ともにがん罹患率が上がっていきます。
とくに20代から50代半ばにかけては、男性より女性の方が、罹患率が高いのもひとつの特徴です。
早期発見が、生存率を大きく分ける
全国がんセンター協議会の統計には、がんの進行が初期の段階で発見できれば、生存率は大幅に上がる、という数値がはっきりとでています。
がん検診や人間ドックの受診率は、じつはあまり高くない
平成30年には、日本政府 厚生労働省により「がん検診受診率50%達成に向けた集中キャンペーン」が行われました。
これは、日本の「国民生活基礎調査」で明らかなように、日本のがん検診受診率のほとんどが5割未満と、非常に低い水準であるためです。
- 時間がない
- 費用が高額
- 検査にともなう苦痛に不安
- 面倒臭い
そういった理由で、がん検診や人間ドックを受けない方も多いのです。
タイで健康診断・人間ドックを受けられる場所
タイとくにバンコクにはクリニックや私立病院も多く、日本人にとっての医療水準は良好といっていいでしょう。
バンコクの代表的な私立総合病院の中にはわが国の大病院と比較しても遜色のない設備の病院が少なからずあり、医療先進国にて医学教育や研修を受けた優秀な医師が勤務しています。更に、わが国の医学部あるいは研修病院に留学経験のあるタイ人医師(日卒医*)や日本語通訳のスタッフが勤務している病院も幾つかあります。
引用:一般財団法人 海外邦人医療基金 海外医療事情レポート27 タイの医療事情 ~外務医務官寄稿~ 在タイ日本国大使館 医務官 安藤 雅史
また、下記の医療機関で、日本語のサポートがついた健康診断・人間ドックが受けられます。
がん検診や人間ドック以外で、がんのリスクを調べる方法
リスク検査とは、「がんに罹患している可能性がどの程度か」を調べる検査のこと。
近年では、さまざまな研究開発の結果、痛みをともなわない、比較的手軽なリスク検査の手法も一般的になりつつあります。
アミノインデックスがんリスクスクリーニング(AICS)
採血によるリスク検査のひとつ。血液中にある微量アミノ酸の濃度を測定し、臓器別に癌のリスク(可能性)を予測することができるスクリーニング検査。早期癌の発見も可能であるといわれ、人間ドックのオプションとして採用する健診機関も増えている。味の素グループが開発している。
リスク評価 Noah
採尿によるリスク検査のひとつ。健康食品区分のALAカプセルを利用し、尿中のがん細胞由来代謝物と酸化物質を調べることで、がんのリスク評価を行うもの。プリベントメディカル株式会社によって開発され、注射や痛みを伴わない非侵襲性の評価方法として注目されている。
【ひとくちメモ】タイのがん検診事情
タイにおける、各種がん検診の受診率
胆管がん検診 13.8%
乳がん検診 13.2%
子宮頸がん検診 19.6%
出典:タイにおけるがん検診受診行動に関する要因分析 金子勝規 大阪市立大学 季刊経済研究 2018年02月
がん検診がまだまだ社会に浸透していないタイの医療事情を考えると、赴任前後や一時帰国のタイミングで、がん先進国である日本の医療サービスをうまく利用して、早期発見や予防につとめたいですね。