【月刊 SAWAN】生活環境の変化に対応する力とは?!

環境変化をチャンスに変えて、いろいろなことに挑戦できた思春期の7年間。
SAWANで培ったチカラ・支え合える仲間は、永遠に色褪せない!

ニコ

いつもニコニコ、みんなに優しくて、ずっと人気者だったチーが、大学(ICU)に合格したって!すごいね!!おめでとう!

ポアン

SAWANでも、チーの周りには年齢・男女を問わずたくさんの仲間が集まっていたよね。
 でもね、チーの魅力は、あの優しい笑顔だけじゃないんだ。実は負けず嫌いで頑張り屋さんなんだ!

ニコ

お父さんの転勤のタイミングに翻弄されながらも、自分の進路選択に向き合い、与えられた環境の中で懸命に努力したよね。

ポアン

そうなんだ。彼女の転機は2回あったよ。1回目が、中3の夏。日本人学校中学部からインター校への進学。2回目が、高校2年の秋。日本の高校(宮城学院)への編入だよ。
高校卒業を目前にしたチー本人にインタビューして、中学高校時代を振り返って詳しい話を聞いたよ!!!


ニコ

タイにはどれくらい住んでいたの?

ちー

小学5年生から高校2年生10月までの6年くらいです。

ポアン

SAWANと出逢ったのは小6の夏だったよね?初めてのSAWANは、どんな印象が残っているかな?

ちー

学校の友達に誘われたので、親に相談したら「行っておいで!」と背中を押されたのがきっかけでした。
親が背中を押してくれていなかったら今の自分はないと思います。

初めて参加した時は何も知らなかったので、外のトイレで水浴びをすることや、薄いマットに穴の空いた蚊帳を張って寝ること、海の上に建てられた家の床の隙間から海が見えたり、壁がないところで海の音を聞きながらまさに海の上に寝たり、驚きと戸惑いというカルチャーショックを受けたことを憶えています。

でも初めてタイ料理を美味しいと感じ、タイ料理が食べられるようになったきっかけがピタック島のご飯でした。
5日間、友達と一緒に遊び、みんなで一緒にSAWANの活動をし、ただただ楽しいSAWANで終わりました。

ニコ

その後、何度も何度も繰り返し参加したよね♫

ちー

初めてのSAWANは、ただ友達と楽しく過ごして終わりました。

2回目のSAWANでは、今思えば懐かしい思い出ですが、SAWANに何回も参加しているベテラン組と私を含めた新しく参加した組で仲間割れしてしまったのです。でも、そのことをきっかけに新しい友達と積極的に話すようになり、植林活動、異文化理解教育、環境に対する活動など、SAWANの活動に集中して取り組むことができるようになりました。まさに人間関係の構築の仕方を学んだ場面でした。
繰り返し行きたいと思うようになったのもその時です。

ポアン

いつも同じ場所に行っているけど、行くたびに違う学びが得られるのがSAWANなんだよね!

ちー

そうなんです!

何度も繰り返しSAWANに参加するたびに少しずつルーティーンを覚え、心に余裕が出てきた頃に、先輩方のリーダーとして班をまとめる姿に憧れを持つようになりました。

自分も周りから信用され、頼りになる存在になる!という目標ができた瞬間でした。
自分にとって、SAWANの意味が変わりました。

副班長になり、班長になり、回数が増えるごとに責任感が増してくるSAWAN。
元々人前に立って話すことが苦手だった私が、今では班長選挙で堂々と自己アピールができるようになり、班員全員が全力で楽しめる班をつくる!が目標となり努力したり、自分の意見を人前で発表したり、団長にいきなり話を振られても応えることができるようになったりました…

繰り返しになりますが、SAWANに参加していなかったら今の私は存在しないと思うほど、自分の成長を感じています。そこは大いに両親に感謝しています。

ニコ

SAWANに参加するたびに、他では得られない充実感・成長を感じられたんだね♫

ちー

はい!

特に、SAWANが終わった後に「ちーの班になって良かった。ありがとう!」
SAWANが始まる初日の集合場所で「ちーがいたからSAWANにきた!」「今回もちーの班に行く!」と笑顔で声をかけてくれる小学生と出逢うと、嬉しさを感じるとともに、自分が頑張った成果をハッキリと感じられる充実感がありました。

 最初は友達と参加していたのが、いつしか1人で参加するようになりました。
さらに「今回はこれをしたい」「これをしよう」という目標を必ず持つようになり、自分自身の成長を探すような気持ちに変わっていったんです。

また、小さい子や、初めて参加する人、まだSAWANを知らない友達に「SAWANの良さを伝えたい」と強く思いましたし、最近では「SAWANを守りたい」という気持ちに変わっていく自分に気づいたのも成長を感じた瞬間の一つです。

ポアン

ちーにとって、ズバリSAWANの魅力は何かな?

ちー

パワーをもらえるところです。

SAWANでは「夢マップを描く」「夢を叫ぶ」「夢まつりをする」など夢について考えさせられる時間がたくさんあります。みんなの夢マップを見ながら将来の夢について語りあったり、夢まつりで各々の特技を披露したりします。

学校で同じことをしたら恥ずかしさに負けたり、勇気を持って出来たとしてもバカにされたりするでしょう。
でもSAWANでは誰一人としてバカにすることなどありません。むしろみんなでその夢を応援したり、支え合って夢を叶えようと頑張ったり、何かを成し遂げるのに「一人で戦っているのではないんだな」と感じさせてくれます。

毎回SAWANが終わると、「みんなが夢に向かって頑張ってるから自分も頑張ろう。次に参加するまでに自分も成長した姿を見せたい。」とパワーをもらい前に進むことが出来ます。

ニコ

ちーは、進路を考える大事なターニングポイントが2回あったよね。

ちー

はい。

小学5年生から中学3年生の8月まで、日本人学校で過ごし、
中学3年生の9月から高校2年生の10月まで、バンコクのインターナショナルスクールで頑張り、
高校2年生の11月から、宮城の高校(宮城学院)へ編入しました。

正直、私の人生がこうなるとは想像もしていませんでした。

小学5年生でタイに移動になるまでは、栃木県でごく普通の小学校に通っていました。

父の転勤が決まり、3年たったら本帰国すると思われていたのが、1年また1年と延長され、常にいつ本帰国になってもおかしくない状況でした。そんな中、SAWANと出会い成長していく自分。

中学3年生になり高校進学を考えていた私は、一人で本帰国し日本の高校に進学するか、タイのインターナショナルスクールに進むか迷っていました。

その時に自分で決意しました。
「日本に帰っても自分は何も成長しないで3年間を無駄にするのではないか。せっかく海外に住んでいてインター校に通えるチャンスがあるのならインター校に行こう!」
と、タイに残ることを決心したんです。

 インター校に通っている間は、語学力を伸ばすのはもちろん、タイだけでなく、韓国や中国、アメリカやアラブなど様々な文化や自分と異なる価値観を持つ人たちと触れ合い、刺激的な生活を過ごしました。タイに住んでいながらも日本人が身の回りに多かったために気づくことのなかったことに気づき、インター校に通ったことにより自分の視野が広がり、より多面的に物事を考えられるようになりました。

また、日本の授業とは違い、インター校ではプレゼンテーションやディスカッションが多く、自分の意見を発しなくてはいけない機会が多かったことも自分にとって良い経験となりました。
SAWANで養ったスピーチ力や、グループをまとめる力がとても役に立ち、またさらに伸ばすことができたと思います。

そんな毎日が充実したインター校での生活が2年経過したある日、親から本帰国を告げられ、急遽日本の高校を探すことになりました。

ポアン

この時は、焦ったよねえ!団長も必死でちーの進路のことを考えてたよ!

ちー

栃木または東京で学校を探しましたが、高校2年生の後期となると受け入れてくれる学校が限られていたため、どこに行こうかいくら悩んでも結論がでず、団長に相談しました。そこで、今通っている宮城の学校を紹介していただきました。

・ミッションスクールである
・留学生がいる国際寮がある
・英語が週15時間学べる英語科がある
・指定校推薦枠が多く、大学進学に直結できる

などと私にとっては最高な条件であったものの、仙台はそれまでの自分に縁のない土地であり、大学受験まで1年を切っていたので、この選択は自分にとって人生最大の大きな決断であり、さらに自分との戦いの始まりでした。

実際に編入してからは、勉強に追われる毎日でした。
インター校に通っていたため、中3高1高2途中までの授業内容が全て抜けていて、センター試験には間に合わないため、指定校推薦を狙っていました。そのためには高い評定平均が必要でした。最初はとにかく周りの子についていくのに必死で、放課後になると学校にある勉強班や自習室で20時30分まで勉強をし、寮に帰ってきてからも残っている課題を終わらせ翌日の小テストの勉強をする、などと毎日それまでに経験したことないほど勉強したと思います。また、勉強だけでは息が詰まってしまうため、YWCAというボランティア部と茶道部、2つの部活を掛け持ちするという忙しい高校生活を送りました。

ニコ

宮城学院でも、またかけがえのない経験ができたんだね!

ちー

はい!何より寮生活が貴重な体験でした。

特に努力したことは、高校3年生で国際寮の寮長となり、21人の寮生をまとめてきたことです。私の暮らした国際寮は留学生11人、日本人10人(内5人は帰国子女)という国際色豊かな寮です。私が入った年に再建した寮なので、それまでの歴史はないに等しく、先輩0人、3年生1人という、頼れる存在が1人もいない手探り状態でした。さらに留学生は言語、文化、習慣、宗教などと、それぞれ違うバックグラウンドを持つため、価値観や考え方、意見は毎回違い、全てをまとめることは困難を極めました。

そんな時も、SAWANで鍛えられた人とのコミュニケーション力、人前で話す力、みんなをまとめる力を活かし、寮長を務めることが出来たと思います。

まず、人とコミュニケーションが何より大切です。
寮に入ってきた新入生や留学生など、初対面であろうと臆せず話しかけ、上手く会話を引き出したり、学校や寮の魅力を伝えたり、どんな状況でも人とコミュニケーションをとることが出来たと思います。

そしてどう国際寮をまとめていくか、試行錯誤を繰り返しました。
寮生集会で寮生全員が集まる場で、留学生も分かるように大事な内容を簡潔にまとめて説明できるか、円滑に会を進められるか、日々いろいろな課題・問題が次々と生じます。そんな時にはいつもSAWANでの班長経験や夢まつり実行委員などの経験を思い出し、常に寮生が満足のいく寮生活を送れるよう努めてきました。

この寮長経験は、SAWANなしでは絶対に成り立ちませんでした!
いつもいつもSAWANを思い出し、自分の力を信じて、良いリーダーシップが取れる寮長を務めることが出来たと思います。

ポアン

団長語録で、役に立っている言葉ってある?

ちー

「俺は絶対にちーの腕を離さない。だから何でもしろ。」

と、私が何かに挑戦する度に強く励まし続けてくれた言葉が印象に残っています。

何をする時も先のことを考え過ぎてネガティブになり立ち止まってしまう私に、
ダメ出しもたくさんありながらも、最後には「俺は絶対にちーの腕を離さないから」と声をかけてくれました。
「絶対サポートするから」と背中を押してくれました。

インター校、宮城の高校への編入、大学進学までたくさんの苦労がありながらも最終的に良い道へと進めたのは、間違いなく団長のお陰です。

ニコ

今バンコクにいる後輩たちへ、メッセージをお願い!

ちー

私もまだまだ未熟で将来に向けて毎日必死な状況です。皆さんも人生で何が起こるかわかりません。何か不安を感じていたり、心がもやもやする、前に進めない… と思ったら、まずは、SAWANに参加してください!
親身になって話を聞いてくれる友達を見つけることができます。
何か新しいことに挑戦したり、新しい自分を見つけることができる素晴らしい場所です。
悩んでいたことがポジティブ思考に変わる場所です。
SAWANから帰ったらすぐにでも「何かに取り組みたい、自分でもできる気がする。」と、前に向かって進んでいけると思います。

SAWANに参加する場合は、全てのことに積極的に全力で挑戦して欲しいです。
例えば、班長であったり、食事係、タイ語隊、夢まつり実行委員、感想や意見の発表など、自ら手をあげて活動に参加して欲しいと思います。怖がる必要はありません。初めの一歩を踏み出すだけで、あとは周りのSAWANっ子が全力でサポートしてくれます。

SAWANでの活動は私や他の先輩方のように、いつか人生において役に立つ時が絶対にくると思います。
自分の人生の原点となるSAWANを経験して欲しいと思います。

ポアン

大学生活での目標を教えて♫

ちー

私が通う大学は、キリスト教精神に基づきグローバルな環境下におかれた、リベラルアーツ教育や対話型講義を特徴とした大学です。今までの高校生活とは違い、大学では自らが「問い」をもち、答えを導いていく生活へと変わるため、より多くのことに興味、関心を持ち、大学の特徴やSAWANでの活動を活かしながら、専門的な知識を身につけていきたいと考えています。

特に、メジャー専攻では、教育学と開発研究を専攻する予定です。貧困連鎖の原因であるとされる教育。開発と教育政策に携わる組織の活動や、開発課題とそれにおける教育のニーズ、また各国のニーズに合わせたカリキュラムを模索する実践的な力を身につけていきたいと考えています。

さらには、学校が国際機関と展開するプログラムに参加し実際にフィールドで身近に学び、ピタック島、スリン、虹の学校での活動と掛け合わせ、私にしかできない、より深い学びをしていこうと思います。

ニコ

将来の夢を、改めて教えて♫

ちー

私の将来の夢は、発展途上国における貧困問題をなくし持続可能で平等な世界を目指すために、国際機関に携わり、社会貢献をすることです。そして、貧困連鎖の原因である「教育」を受けられない環境にいる子どもたちのために学校建設をします。

ポアン

今日はたくさんの話を聞かせてくれて、本当にありがとう!

ちー

今回、このインタビューに答えたことは、自分のこれまでの人生を振り返る良い機会となりました。

私を成長させてくれたのはSAWANであり、これからも私を成長させてくれるのはSAWANだと改めて感じました。SAWANに出逢っていなかったら、今の私はいないと思います。

これからもたくさんの人がSAWANに参加し、その経験を糧として成長していってくれたら嬉しいです。



バンコク・シラチャに住む日本人の子供達が現地活動を通じ
「世界の中の日本」「アジアの中での日本の役割」「夢を持つこと掴むこと」を学んでいます。

毎回号外!と題し、様々な『SAWANの今』をニコラボで発信!

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